Nanka Gifu Kenjinkai


南加他県人会からのメッセージ

「7月5日富山・岐阜交流の日に寄せて」 富山県人会 会長 福島あつこ

今思えば私と岐阜の関係は、近くて遠い、あるいは遠くて近い関係かもしれない。日本では”北陸3県”(富山・石川・福井)の言葉のように、あまり岐阜と富山の関わりは一般的ではないかもしれないし、親戚が高山や大垣にいるにもかかわらず、日本在住の時は訪れた事はなかった。
しかし富山市に生まれた私は、母方の里、越中おわら節の”風の盆”で有名な八尾で幼児・少女時代を送った。薬剤師・代書であった大祖父の時代に、高山から一山越した八尾へ移ってきたとのこと。一方、父方の里は、白川郷と目の先城端。長年お化けが出ると言って誰も近寄らなかった蔵の解体時に中から鎧や兜が出てきたとの事。勿論平家の落人の末裔。私の中には100%平家の血が流れていることになる。古川出身だった今は亡き”古組”吉澤先生に横笛を習っていた関係で初めて高山を訪れた時は、自分の前世で確かにここで暮らしたという確信を持った程である。
飛騨の山々の色も、山から吹いてくる冷たい風も、川の趣も、家の造りも、町行く年寄りの後姿も、各家の台所から漂ってくる夕餉のにおいも、長年忘れていた懐かしい子供時代そのままであって、驚いたのを今でも覚えている。
街中の用水路にコイが泳ぐ情緒いっぱいの岐阜の町を、次回の訪日時には是非歩きたいと想いをめぐらしている昨今である。
2010年6月

inserted by FC2 system